漏水テストにかかる時間はどのくらいですか。
質問:
内視鏡の漏水テストにはどのくらいの時間をかけるべきですか。また、最短時間や最長時間に関する要件はありますか。
回答:
ほとんどの軟性内視鏡の製造販売元の取扱説明書(IFU)では、漏水テストを少なくとも30秒間実施すべきとされています。一方でAAMI ST91のような専門機関による指針では、少なくとも60秒間を推奨しています。しかしこのような時間は、あくまで最低限の目安であり、すべての漏れを確実に検出できることを保証するものではありません。
実際の漏水テストは、単に所要時間を満たせばよい作業ではなく、評価するための工程です。漏れは小さいこともあれば、断続的であったり、検出しにくいものであったりすることもあります。内視鏡を十分に加圧した上で操作し、時間をかけて慎重に観察しなければ見えないものもあります。そのため最低時間を満たすことのみに意識が向くと、損傷を見落とす恐れがあります。
漏水テストで検出される可能性のある損傷部位は挿入部、湾曲部、先端部、操作部、内視鏡接続部など、内視鏡の全体にわたります。特に所見が不明瞭な場合には、十分な時間をかけて内視鏡を徹底的に観察することで、問題を早期に発見しやすくなります。
漏れを速やかに特定することは重要です。液体が内視鏡に侵入すると、内部部品の機能が損なわれ、結果的としてさらに広範な損傷や高額な修理費用につながる可能性があります。反対に、わずかな漏れを早期に特定すれば、より重大な機器故障を防ぐことができるかもしれません。
要点:
IFUや各種規格では漏水テストの最低実施時間が定められていますが、適切な漏水テストは、その最低時間を守るだけでは達成できません。適切な加圧、慎重な操作、注意深い観察を行うことが、破損の早期発見と機器の保全、さらに長期的なコスト削減に不可欠です。
出典と参考文献
References & Resources: ANSI/AAMI ST91:2021, Flexible and Semi-Rigid Endoscope Processing in Health Care Facilities. https://webstore.ansi.org/standards/aami/ansiaamist912021. 2026年1月にアクセス。
Centers for Disease Control and Prevention (CDC), Guideline for Disinfection and Sterilization in Healthcare Facilities. https://www.cdc.gov/infection-control/hcp/disinfection-and-sterilization/index.html. 2026年1月にアクセス。
Beilenhoff U et al.: Reprocessing of flexible endoscopes and endoscopic accessories used in gastrointestinal endoscopy: Position Statement of the European Society of Gastrointestinal Endoscopy (ESGE) and European Society of Gastroenterology Nurses and Associates (ESGENA) – Update 2018. Endoscopy 2018; 50: 1205-1234.