内視鏡のサンプリングと培養の実施

質問:

内視鏡のサンプリングと培養を実施すべき理由は何ですか?

回答:

内視鏡のサンプリングと培養のプロトコルを実施すると、貴施設における軟性内視鏡のリプロセス工程に対し、さらなる品質保証を付与する有効な手段となり得ます。手順としては、チャンネルや先端部など内視鏡のさまざまな構成部品のサンプリングを行い、微生物の増殖の有無を確認します。内視鏡のリプロセス後に微生物が同定された場合、リプロセスや内視鏡の取り扱いにおいて、潜在的な問題が生じうる箇所をユーザーが理解するのに役立ちます。例えば以下の問題が考えられます。

  • Pseudomonas aeruginosa(緑膿菌)などの水系由来の微生物が検出された場合、最終すすぎ水に関する問題がある、あるいは乾燥工程が不十分である可能性を示唆しています。

  • Staphylococcus epidermidis(表皮ブドウ球菌)などの皮膚常在菌が検出された場合、輸送や取り扱いの工程に改善の余地があることを示唆しています(例:手指衛生や手袋の着用)。

  • 消化器検査に用いる大腸内視鏡でEscherichia coli(大腸菌)やKlebsiella pneumoniae(肺炎桿菌)などのヒト由来の微生物が検出された場合、内視鏡の洗浄工程に逸脱があり、患者由来の残留物が内視鏡に残った可能性が示唆されます(例:マニュアル洗浄に十分な時間をかけていない、ブラシのサイズが適切でないなど)。

また、サンプリングと培養を実施することで、汚染された内視鏡が患者に使用されることを防ぎ、患者の安全性の向上に寄与します。サンプリングと培養のプロトコルは、国や地域によって大きく異なることに留意してください。現在、再利用可能な熱に弱い軟性内視鏡を対象とした国際基準のサンプリングと培養のプロトコルを策定するため、国際標準化機構(ISO)委員会でドラフトが作成されています。これが採択・承認されれば、内視鏡のサンプリングと培養に関する初めての国際基準のプロトコルとなります。現時点で国際的に運用されているプロトコルについて、いくつか例を示します。

出典と参考文献