内視鏡の目視点検を行うタイミング

質問:

内視鏡の目視点検は、使用時のどのタイミングで実施すべきですか?

回答:

内視鏡の目視点検は内視鏡使用の各段階で行います。それぞれの段階での検査の目的は異なります。一般的に、目視点検は以下の3つのタイミングで行われます。

  • 使用前

  • 使用中

  • 使用後

医療従事者は、患者に使用する前に、内視鏡を点検し、機能性と清浄性を確認する必要があります。使用前点検の内容は内視鏡のモデルや製造販売元によって異なる場合があるため、取扱説明書を参照してください。使用前点検には、アングルノブや鉗子台起上機構の動き、鉗子チャンネルの点検、映像表示の確認に加え、被覆部材に破損がないこと、部品の緩みがないこと、ならびに先端部に破損や汚れがないことの確認が含まれます。使用前点検で内視鏡に残留物が認められた場合は、直ちにリプロセスエリアに戻さなければなりません。

使用中も、上記と同じ原則が適用されます。機能上の問題は、手技の最中や内視鏡処置具が挿入されるまで現れない場合があります。医療従事者は、アングルの不具合、鉗子栓からの漏れ、チャンネル内の抵抗感がないか、注意深く確認し続ける必要があります。

使用後、内視鏡はプレ洗浄したのちに、リプロセスエリアへ運搬されます。残留物が除去されたことを確認するため、マニュアル洗浄中および洗浄後に目視点検が必要です。リプロセス中の過程で残留物が確認された場合は、追加のマニュアル洗浄を行う必要があります。

総じて、目視点検は「リスク低減策」と考えられています。[1] 目視点検は、内視鏡の機能性と清浄性を確認するための追加確認として役立ちます。また、使用者は、亀裂、欠け、被覆部の剥がれ、膨らみ、すきまなど、破損の兆候がないか、内視鏡を点検する必要があります。これらの所見は、直ちに機能に影響を及ぼさない場合でも、洗浄性に影響する可能性があります。目視点検を補助するために、照明付き拡大鏡などの追加のツールが必要かどうかは、内視鏡の取扱説明書、関連するベストプラクティスガイドラインや規格、および施設の方針を参照して判断してください。

出典と参考文献

  1. Association for the Advancement of Medical Instrumentation. ANSI/AAMI ST91:2021 Flexible and semi-rigid endoscope processing in health care facilities. AAMI; 2021. Accessed February 1, 2026. https://www.aami.org/st91. 2026年2月時点の情報です。

  2. Day LW, Muthusamy VR, Collins J, et al. Multisociety guideline on reprocessing flexible GI endoscopes and accessories. Gastrointest Endosc. 2021;93(1):11-33.e6. doi:10.1016/j.gie.2020.09.048.

  3. Devereaux BM, Jones D, Wardle E, on behalf of the Infection Prevention and Control in Endoscopy Committee. Infection Prevention and Control in Endoscopy 2025 Update. Melbourne: Gastroenterological Society of Australia, 2025.

  4. Statens Serum Institut; Nationale Infektionshygiejniske RetningslinjerI. Genbehandling af Fleksible Endoskoper (Version 7, 2025).

  5. KRINKO-BfArM. Anlage 8: Anforderungen an die Hygiene bei der Aufbereitung thermolabiler Endoskope (Recommendation from the Commission on Hospital Hygiene and Infection Protection at the Robert Koch Institute (RKI) and the Federal Institute for Drugs and Medical Devices (BfArM): Hygiene requirements for the reprocessing of thermolabile endoscopes). Bundesgesundheitsblatt Gesundheitsforschung Gesundheitsschutz 2024; 67(12):1410–1468.